窒素濃度が高く負荷変動が大きい排水を、
安定的かつ低ランニングコストで脱窒処理
窒素処理でお困りですか?
ランニングコストがかさむ
窒素濃度の高い排水の処理が難しい
厳しい基準値を守るための管理が難しい
弊社の脱窒システムはこのようなお悩みを解決します。
用途先 このような環境に最適です
・窒素系の薬品を使用する
・地域や自社の排水基準が厳しい
・嫌気消化液が出る
QCL脱窒システムの特徴
QCL脱窒システムは硫黄酸化脱窒法による脱窒システムです。
処理できるものは硝酸態窒素および亜硝酸態窒素の2つとなります。
QCL脱窒システムでアンモニア態窒素の処理を行うことはできません。
そのため、アンモニア態窒素が豊富な排水は、前段で硝化する必要がございます。
硫黄酸化脱窒菌
QCL脱窒システムと従来の脱窒処理との一番の大きな違いは微生物です。
従来の脱窒処理で使用する微生物は従属栄養性細菌なのに対して、QCL脱窒システムで使用する硫黄酸化脱窒菌は、独立栄養性細菌です。
そのため排水にメタノールなどの有機炭素源を投入する必要がございません。硫黄酸化脱窒菌は無酸素の通性嫌気状態で硝酸呼吸をしながら硫黄を硫酸イオンに酸化することで代謝を行います。
脱窒ペレット
QCL脱窒システムの微生物に並ぶ肝が、担体である脱窒ペレットです。
このペレットは主原料に硫黄と炭酸カルシウムを使っております。
硫黄酸化脱窒菌は、脱窒ペレットの表面に担持することで、代謝に必要な硫黄を脱窒ペレットから補給しています。
硫黄酸化脱窒菌が担持した状態の脱窒ペレットを水槽内に充填することで、排水内の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を脱窒処理します。
NO3– + 1.10S + 0.40CO2 + 0.76H2O + 0.08NH4+ → 0.50N2 + 1.10SO42- + 1.28H+ + 0.08C5H7O2N
専用設計リアクター
QCL脱窒システムは水槽の下部から通水し、水槽内を循環し滞留したのちに、上部からオーバーフローして放流する仕組みです。
脱窒された後の窒素は気体として大気に放出されます。
排水の窒素濃度負荷、流量、またその他の性状に応じて、水槽の規模と必要なペレット重量を計算します。
導入による低ランニングコスト化
① 有機炭素源の調達コスト削減
硫黄酸化脱窒菌が独立栄養性細菌のためメタノールの調達コストが必要ありません。
② 再曝気槽などの設備費および稼働費の削減
従来脱窒法では窒素を処理するためにBODとなるメタノールを添加し、窒素を除去した後に再曝気槽を使って再度有機物を処理しなければならないことも珍しくありません。そういった再曝気槽の設備費や曝気に必要な電気代等のランニングコストの削減が可能です。
③ 煩雑な管理の手間の削減
従来の脱窒槽で必要なメタノール添加量の調整や窒素濃度とBOD濃度の煩雑かつシビアな管理の手間を削減できます。QCL脱窒システムは下から通水して、その分だけオーバーフローしていく非常にシンプルな設備です。
先行事例
硫黄酸化脱窒法は日本では馴染みがありませんが、実は30年ほど前に日本で生まれました。そして窒素の放流基準が厳しく、メタノール添加等での運転管理が困難な中国や韓国などで2000年初頭ごろから現在までで既に180件超の現場で安定稼動を実現しています。
その中から弊社の関連企業である中国タイタングループが行った事例をご紹介します。
レストランの厨房排水(中国)
お使いいただけるお客様
QCL脱窒システムは、硝酸態窒素でお困りの全ての企業様のお役に立つ可能性がございますが、その中でも、よりお役に立てる可能性が高いのは下記のお客様と考えております。
・国際的なサプライチェーンの中で、日本の放流基準よりも厳しい基準をお持ちの企業様
・バイオマスプラントのメタン発酵後の嫌気消化液処理にお困りの事業所様
・金属表面加工などの酸洗水の処理にお困りの工場様
・畜産排水の処理にお困りの畜産農家様
よくあるご質問
納品までの具体的なフローを教えてください
まずお問合せフォームからご連絡下さい。
およその納品までのフローは次の通りとなります(お客様側のご対応は赤色)。
- 問合せ・見積依頼フォームからのご連絡
- 弊社からお返事(2営業日以内)
- オンライン会議(困りごとを直接お聞きします)
- サンプル排水を発送(ポリタンクを2つ、約40Lに排水を入れて弊社までお送り下さい)
- 排水分析、基本設計、脱窒試験(現地調査が必要な場合もあります)
- 試験レポートと見積書を提出
- ご発注
- 施工、殖菌(殖菌には約1ヶ月かかります)
- 運転開始
ランニングコストはどのくらいかかりますか?
弊社脱窒システムは化学薬品を一切使用せず、硫黄酸化脱窒細菌という微生物を使用しているため、ランニングコストはほとんどかかりません。
具体的には、リアクターと呼ばれるタンクへ従来の排水設備から流入させるための流入ポンプと、リアクター内の排水を循環させるための循環ポンプのポンプ電気代がランニングコストとなります。
また3年に1度、減少した脱窒ペレットの補充分(当初のペレットの量に対して3%から5%)が必要になる程度です。
養豚場を経営しています。脱窒システムを導入するにはどうしたらいいですか?
すでに曝気槽でアンモニア性窒素濃度を低くされている場合には、弊社の脱窒システムでその後の硝酸性窒素を除去することは可能です。もしアンモニア性窒素の濃度が高い場合には、流入させる前に、十分にアンモニア性窒素の濃度を下げてやる必要があります。
アンモニア性窒素の濃度を下げる方法は次の3通りです。
- 曝気槽を増やす
- 微生物固定化PVA担体を曝気槽に入れる
- 膜分離システムを入れる(MBR)
現実的には曝気槽を増やすことは難しいと思われるために、2のPVAか、3の膜分離が必要になると思います。
いずれも弊社では効果のあるPVAと膜もご提案可能となっておりますので、お気軽にお問合せ下さい。